
紅茶の歴史は、中国の古代王朝時代に遡ります。最初に茶が飲まれたのは紀元前の中国であり、17世紀にヨーロッパへと伝わりました。イギリスでは紅茶文化が根付き、アフタヌーンティーの習慣が誕生しました。その後、紅茶の生産はインド、スリランカ、インドネシア、ケニアなど世界中に広がり、地域ごとに独自の風味を持つ紅茶が作られるようになりました。世界の紅茶の説明に加えてアマゾンからそれぞれの代表的なおすすめの商品をセレクトしてみました。
紅茶とは
紅茶は、茶の葉を完全に酸化・発酵させて作られる茶の種類です。茶の葉には酸化酵素が含まれており、酸化が進むにつれて茶葉の色が変わり、独特の香りや味わいが生まれます。発酵の度合いが低いものが緑茶やウーロン茶であり、完全に酸化されたものが紅茶となります。
紅茶の風味は、茶葉の品種、栽培環境、加工方法によって異なります。特に、茶葉の品種には「アッサム種」と「中国種」の2種類があり、それぞれに特徴があります。
茶葉の品種による違い
- アッサム種(Camellia sinensis var. assamica): 葉が大きく、温暖な気候に適した品種。渋みの基盤となるタンニンの含有量が多く、カフェインも中国史ユニ比較すると多い。強いコクと渋みがあり、濃厚な味わいが特徴。アッサム紅茶や一部のセイロンティーに使用される。
- 中国種(Camellia sinensis var. sinensis): 葉が小さく、冷涼な気候でも育つ品種。旨味・甘味の源泉となるテニアンの含有量が多い。繊細な香りと軽やかな味わいが特徴。ダージリンやキーマン紅茶などに使用される。
紅茶の製造方法による違い
- 正統派紅茶(オーソドックス製法): 手摘みされた茶葉を萎凋(いちょう)、揉捻(じゅうねん)、発酵、乾燥の工程を経て製造されます。
- CTC紅茶: Crush(圧砕)、Tear(引き裂き)、Curl(丸める)の工程で製造され、短時間で濃く抽出できるのが特徴です。
- インスタント紅茶: 抽出した紅茶を乾燥させて粉末状にしたもので、手軽に楽しめます。
産地別の銘柄と特徴
ダージリン
インドのヒマラヤ山脈東側
インド西ベンガル州ダージリン地方で主に中国種の茶葉が使用され、標高2000m級の冷涼な山岳地帯で育ちます。マスカットのような香りと称されることが多いが、渋いスモーキーな香りに感じられることもある。インドに根付いた唯一の中国系の茶葉でえぐみがない。紅茶の名前としては一番有名だが、香り、渋みを楽しむ個性的な紅茶。ストレートで飲むべきと断言したくなる。
アッサム
インド北東部のアッサム州産
インド北東部アッサム州でアッサム種の茶葉が育ち、湿度の高い豊かな土壌の影響で濃厚でコクのあるモルティな風味と甘みが特徴。こくがあり、渋みも強い。ミルクティーに向くとされるが、そのまま飲んでもおいしく紅茶のメインストリームに思える。
ニルギリ
インド南部のケララ州
南インドのニルギリ丘陵で主にアッサム種の茶葉が栽培され、昼夜の寒暖差が大きいため、さっぱりとした風味とフルーティーな香りが際立ちます。クセが少なく飲みやすいため、アイスティーにも最適です。また、ミルクを入れてもおいしい。
ドアーズ
インド北東部、ドアーズ丘陵
インド東部のドアーズ地方でアッサム種の茶葉が育ち、アッサムに似たコクとまろやかな風味が楽しめる。黒い茶葉、香りは弱いがこくがありマイルドな口当たり。あまり有名でないが実際の生産量はインド2位らしい。CTCが主流だがCTCでも渋みは少ないがミルクティーを入れるとおいしい。
ヌワラエリヤ
スリランカの高地
スリランカの高地で生産され、爽やかな渋みと花のような香り、ドライな味、色はオレンジ色、渋みがあるので濃い目に入れてミルクティにしてもおいしい。
ウバ
スリランカの山岳地帯
スリランカの山岳地帯で生産され、メントール系の香りと力強い渋みが特徴の高級茶。ダージリン、キーマンと並び世界三大銘茶とされている。香りが独特で渋みも強いので好き嫌いが分かれるのではないか。銘柄、茶葉の大きさによりだいぶ違いがある。
ディンブラ
スリランカの中央山脈西側
スリランカの高地で取れる紅茶だかウバとは中央山脈をはさんで反対側で取れる。高地栽培にしては渋みもあまりつよくなく、かすかにバラのような感じもする香りは華やかで、バランスの取れたすっきりした味わい。
キャンディ
スリランカの中標高地
日本ではあまり人気がないがマイルドで穏やかな香りの紅茶、渋みは少ないが濃く入れればしっかりとしたコクが出る。アイスティーや、ハーブティーのベースにするのに良い。
ルフナ
スリランカの低地
濃く深い赤色が印象的。中近東で人気がある銘柄ということだがこの色合いも影響があるのではないかと思う。コクはあるが渋みはなく甘みのある味わい。かすかにスモキーな香りがする。硬水で入れるのに適したお茶という話だが、そこは試してない。
ジャワ
インドネシアのジャワ島
黒い茶葉、香りは弱いがこくがありマイルドな口当たり。あまり有名でないが紅茶の生産量は世界4位。CTCが主流だがCTCでも渋みは少ないがミルクティーで入れるとおいしい。
キーマン
中国安徽省祁門
中国安徽省で中国種の茶葉が栽培され、蘭のような甘い香りが特徴です。霧が多く湿潤な環境が、独特の芳醇な風味を生み出します。繊細な味わいのため、ストレートで楽しむのが最適。昔はトワイニングのプリンスオブウェールズがキーマンの代表的な商品で、以前の商品説明にはキーマンがブレンドされていることが明記されていたが今はその記載もない。キーマン茶はコクがあるが渋みはほとんどなく、中国茶に近い香りがする。
ラプサンスーチョン(正山小種)
福建省武夷山 フレーバードティ
封を開けた途端、生ハムにもにたスモーキーな強烈な香りがした。松柏の燻煙で香りをつけた紅茶の燻製。アールグレイはこの紅茶をイメージして作られたとのことだが、オリエンタルというよりは仏壇の香りがする。香りは強いが味は渋みがなく穏やかで慣れると癖になるかも。
ライチ(茘枝紅茶)
フレーバードティ
中国の一般的なフレーバードティ、中国紅茶がベースとなっているのでマイルドな味わい。ライチ特有のみずみず香りが紅茶に移っている。ストレートで飲むべき紅茶だが、濃く入れても紅茶としての強さはでず、物足りない感じもある。
プリンスオブウェールズ
ブレンドティ
プリンスオブウェールズはもともとはプリンス・オブ・ウェールズ(英国王太子)為に作られたブレンド。ブラックティを中心にブレンドされえている鮮やかな色と香りが特徴。各社からいろいろな解釈でブレンドされている商品が出ているがトワイニングの製品が最も有名。なお、英国のトワイニングの公式サイトではプリンスオブウェールズという名前が恐れ多いということで売ってないらしい。トワイニングのサイトを確認2023年2月に確認してみたら確かになかった。
アールグレイ
フレーバードティ
19世紀半ばにイギリスの外交官グレイ伯爵が、お気に入り中国の紅茶(ラプサンスーチョン)に似せるために作らせたという紅茶。ベルガモットで香り付けがされている。いろいろなブランドから出されているトワイニングが定番。濃い目に入れてミルクティにしても、アイスティーもおいしい。
レディグレイ
フレーバードティ
トワイニング社のオリジナルの商品、アールグレイをベースにオレンジとレモンの果皮、矢車菊の花が加えられていて、華やかな香りを感じられる。オレンジや、レモンの香りがあるのでアイスティーにも向いている。
アップルティ
フレーバードティ
アップルティといえば、フォーションのアップルティ。ちょっと高価だがスーパーの紅茶売り場にも必ずあるほど定着している。
シナモンティ
フレーバードティ
シナモンティはショップにより、香り付けの度合いが違う。私は濃く強めのが好きだが人によりドクダミ茶みたいと悪口を言われることもある。